故宮博物院(紫禁城)北京の世界遺産観光 映画「ラストエンペラー」の世界へ

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紫禁城」はもともと明朝の宮殿として作られ、焼失後に中国最後の王朝である清朝の宮殿として再建されます。革命後に王宮は故宮博物院(博物館)となり現在に至ります。このあたりがアカデミー賞作品賞ほか9部門を受賞した映画「ラストエンペラー」で描かれておりご存じの方も多いと思います。敷地面積は72haありサッカーグラウンド面積に換算すると87面分と・・・とにかく巨大な宮殿です。まさに大陸サイズです(笑)。そのため過去2度訪れましたがすべてを見ることができず、機会があればまた行こうと思っています。

日本人はこの元宮殿を「紫禁城」と認識されている方が多いと思いますが、中国人は名称として「紫禁城」ではなく「昔の宮殿」を意味する「故宮(gu gong/グー ゴン)を用いています。そのため「紫禁城」いってもピンとこない人もいるかもしれません。ですので紙に「故宮」の方を書けばすぐ理解してもらえると思います。日本でも日本語読みで「こきゅう」と呼んでいますよね。それです。

元王宮である「紫禁城」はフランスの元王宮であるルーブル美術館と同じく博物館として運営され、「故宮博物院」と称しています。

では、早速「故宮」を見ていくことにします。

まずは地下鉄の駅を降り天安門(第一門)を目指します

アクセスには地下鉄、バス、タクシーなどがあります。地下鉄の場合、故宮の入場口となる天安門の両側に天安門東駅と天安門西駅がああります。今回の模様は天安門東駅からのアクセスになります。

ちなみにタクシーの場合は近くで天安門近くでは降車することが出来ないため、降車後少し歩く必要があります。この点でタクシーのメリットは半減しますよね。

地下鉄の出口を出ると・・・

すごい人です~(汗)。地下鉄1号線の天安门东站(天安門東駅)を出て人の流れについていきます。すごい人の波ですが思ったよりはそこそこ流れて行きます。

途中、空港並みに金属探知機やX線によるセキュリティーチェックがありかなり厳重です。列の先に見えているのがセキュリティーゲートです。(ちなみに右側に見えているのがすでに故宮の城壁の一部です。)

セキュリティーゲートを抜けると右手に天安門が見えてきます。この道路を挟んだ左手が天安門広場になります。

天安門(第一門)

故宮の一番目の門である天安門をくぐります。(まだこの時点ではチケットを持っていません)

1番目の門「天安門」は中国の象徴的な場所の一つです。この天安門の楼上で1949年10月1日、毛沢東が中華人民共和国の建国宣言を行った場所としても有名。この門の前面にあるのが長安街(街は「通り」の意味)を挟んで広がる天安門広場で、天安門広場の聴衆に向かって宣誓されました。

この10月1日が現在の1週間の長期休暇「国慶節」になっています。中国には年に2回の長期休暇があり、この周の観光地はどこもニュースで取り上げられるほど、人の波に飲み込まれるので避けることをおススメします。日本で言えばゴールデンウィークですね。

端门(第二門)

天安門と同じように見えますが別の門です。このように大きな門が数個続きます。

门票(入場チケット)購入

第一門をくぐったところの広場に门票(入場券)の販売所があります。季節により価格が変わるようです(4月〜10月: 60元、11月〜3月: 40元)。

真冬にも1度行ったことがありますが、途中で引き返すぐらい寒かったので、安くなるのはわかる気がします(汗)。

1日の入場制限人数があり、事前のインターネットでの購入が勧められています。現地での購入も可能でした。ちなみにチケットの購入には中国人はIDカード、外国人はパスポートが必要なのでホテルなどに忘れるとチケットが購入できませんのでご注意ください。

午門(第三門)

この門をくぐる際にみんな板扉にある鋲を撫でています。ツルツルピカピカ!一応・・・慣例に従い撫でておきました(笑)。

内金水桥

敷地内を運河のような川が横切っており石橋を渡り進んでいきます。

故宮の全体図

一番下の門が天安門で、下から上へ進んでいきます。手前(地図の下側)が公務の場で奥(上側)が皇帝の私的空間(生活空間)になります。日本で言えば「大奥」ですね。

太和門

太和門」の階段の両脇には獅子像が睨みをきかせています。

太和門の両側には少し小型の門が両側にあり、通常はこちらが通用門として使用されていたのかもしれません。観光用にもこちらが使われていました。

午門の背面

太和門午門の間には大きな広場があります。

太和殿

太和門くぐると目の前に現れるのが「太和殿」です。皇帝の即位などの重要な儀礼が行われる場で皇帝の権力を象徴する紫禁城の中心的建物です。公的空間は「前朝」と呼ばれ、皇帝たちの暮らす私的空間の「後宮」とは後に登場する「乾清門」により明確に分けられていました。

ここまでいくつもの巨大な門をくぐって来ましたが・・・今までのものは門であり、ここで初めて「宮殿の建物」が姿を現します。とにかく巨大すぎて言葉を失います。ここはまだ公務を行う場であり、私生活の場である「奥」はまだまだこの先にあります。

映画「ラストエンペラー」でも、ここで即位が行われ太和殿前の広場にすごい数のエキストラが配され撮影されていました。

前トランプ米国大統領が北京へ来訪した時には、この巨大な故宮を貸し切りにして招いたようですが、この巨大さを見せつけることが逆に効果がありすぎたのかもしれませんね。それでもって「眠れる獅子が目を覚まして、この先も経済発展し続けたらやばいかも・・・」っと。

故宮内は意外と宮殿や門ごとに高低差があり威厳を醸し出しています。この階段の上から見下ろされれば、かなり威圧的ですね~(汗)。

階段を上っていくと小さな広場があります。

太和殿前の広場には鶴・亀の置物と日時計が設置されています。

横から見るとこのような段々状になっています。

太和門の背面

この太和殿前にある広場だけでサッカー場が出来そうです。

中和殿

太和殿と同じ基壇の上に3つある宮殿の1つです。

皇帝が座る玉座が置かれ控えの間として使われていてたようです。

中和殿と太和殿の背面
中和殿の側面

右が「太和殿」、中央の「中和殿」を挟んで、左が次の宮殿になる「保和殿」です。

保和殿

同じ基壇に3つ建つ宮殿の一番奥が「保和殿」です。

ここにも皇帝が座る玉座があります。

乾清門

この門の先からが「後宮(こうきゅう)」皇帝の私的な生活の場(皇帝と皇后・側室たちの生活空間)で、大臣クラスでも許可なく入ることが出来なかったそうです。日本の江戸時代で言うところの「大奥」ですね。

保和殿の背面

乾清門から見た「保和殿」の背面です。

睨みをきかす獅子

皇帝と皇后・側室たちの暮らす私的な空間である「後宮」と公的な空間の「前朝」を分ける乾清門では一対の獅子が睨みをきかせています。

乾清宮(皇帝の寝殿)

乾清宮は「天」を意味するそうで、清朝の途中まではここが皇帝の寝殿として使われていたようです。

乾清門の背面

交泰宮・坤寧宮

手前(右側)の建物が「交泰宮」、奥(左手)が「坤寧宮」です。

乾清宮は「」を意味する皇帝の寝殿でしたが、「」を意味する「坤寧宮」が皇后の寝殿のようです。

东六宫(東六宮)

先ほどの「乾清門」の右側にあるのが「东六宫(東六宮)」です。ちなみに後に出てきますが、「乾清門」の左側にも「东六宫(東六宮)」と似た「西六宫」があります。

东六宫(東六宮)」は地図でこの位置になります。

西六宫(西六宮)

左側にも「东六宫(東六宮)」と同じように6つの宮が並んでいます。

ここは、日本で最も有名な中国の皇后「慈禧太后」、この名前では正直分かりませんね。西六宮に住む皇太后こそ日本では「西太后(せいたいごう)」と呼ばれるその人なのです。「西宮の皇太后」・・・ということのようです。

知らなかった(汗)。

東西六院などの雰囲気

たくさん並んでいるので、1つ1つはとても載せれないので、雰囲気だけ・・・。

実際問題として、すべてを丹念に見ていこうと思うと丸一日は必須だと思います(汗)。

基本的にはこのような通路から各宮へ入る門があります。まさに1つの町の大きさです(汗)。

門を入ると・・・

右側の装飾で飾られた中央の赤い壁が衝立のようになっており、その両側から回り込んで入ってくる形になります。この壁によって、この中が1つの空間として独立しています。また、中庭を囲むように建物が配され、北京の建築様式である四合院のような作りになっています。

映画「ラストエンペラー」で溥儀が自転車で走ったところ

高くて深紅に塗られた壁が続く長い通路。映画「ラストエンペラー」で主人公である最後の皇帝「愛新覚羅溥儀」が幼少期に西洋からもたらされた自転車に乗る場面がありましたが、まさにこの場所ですよね。

延禧宮

中国様式の故宮の中で少し不思議な雰囲気を放っています。突如西洋的な様式を思わせる鉄骨と石で作られた建物の廃墟の姿を見ることが出来ます。

延禧宮は清朝末期に西洋式3階建ての水晶宮を造営しようとして、資金難の中で進まない工事でしたが最後は清朝自体がなくなる事態となり、建設途中で工事がストップし現在のような姿を残しているようです。

地下1階、地上2階建ての構造で、ガラスを張り水を入れ魚を泳がせる?今でいう水族館?・・・のようなものを作ろうとしたようで、この時代としてはなかなかのスケールですね。

完成した姿を見てみたかった気がしますね。

その他の建物

钟表馆

钟表馆をはじめいくつもの建物があります。

多すぎて載せきれないので「钟表馆」だけ1枚載せました。ここは清朝の時代に集められた様々な時計が展示されているまさに博物院っと言ったところですね。敷地内ですがここは別料金になっているので、個人的には行かなくてもいいのかなぁ~っと思います。理由は簡単・・・広すぎて1日ではここまで丹念に見ていられないためです(汗)。

御花园

皇帝の私的空間である後宮に作られた庭園と四阿。ねじられたような幹の樹木があったり、少し不思議な空間です。

万春亭・千秋亭
澄瑞亭
御景亭
金の象が鎮座しています

御花园を出て出口の方向に向かいます。

东长房

御花园の門を出ると東西方向に東西に対の長屋があります。

この右側にある建物が「东长房」です。

名前のとおり長~い建物です。一番左の奥に見えているのが最後の出口の門となる神武门(神武門)です。

东长房」の内部はミュージアムショップになっています。

神武门(神武門):出口の門

神武门(神武門)を出ると「景山公园(景山公園)」が正面に見えます。

この「景山公园(景山公園)」の頂上から故宮が一望できるようなのですが・・・

あいにく、広大な故宮を見るのに時間を費やしてしまい、この日は見る時間がありませんでした・・・。というか、時間があっても疲れすぎて上る元気もなかったと思います(汗)。

是非次回は頂上にある万春亭から黄昏時の故宮を見たいと思ています。

神武门(神武門)を外から見たところ

まとめ

とても長い一日でした・・・。とにかく広い。

真夏に行ったたため、売店や展示館などクーラーの効いたところで休憩を挟みながら巡りましたが、それでもかなり疲れ、暑さにやられました。

2度目は真冬に行ったのですが夏以上につらく、ビュービュー吹く強い風に耐えられず、途中で進むのを断念し引き返しました。冬の入場料が安いのが頷けます。

北京の気候は冬はとても寒く、夏はとても暑い場所です。結構つらいです。

なので、とにかく気候の良い時期を選ぶことをおススメいたします。しかし・・・そのような時は当然ながら他の人も訪れるわけでかなり込むものと予想されます。とくに春節と国慶節の2大連休は激込みなので避けるのが賢明です。人口の多い中国、日本のゴールデンウィークの比ではありませんから(汗)。

ですので、中国のカレンダーを調べていくことをおススメいたします。

アクセス

天安门(天安門)入口

  • 地下鉄1号線:天安门东站(天安門東駅)または天安门西站(天安門西駅)
  • 路線バス:天安门东(天安門東)または天安门西(天安門西)
  • タクシー:近くまでしかアクセスできません。降車後少し歩く必要があります。

天安门(天安門)入口以外に东门(東門)などからも入れるようです。ちなみに冬に途中で引き返した際には东门から出場しました。

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